2008年12月 3日

入れ歯に奮闘

今回、「受け答えがはっきりしない奥さんがいて、要注意のお客様なので慎重に対応してください」
狭い家で、6帖間が二部屋あり仏間に遺体が安置してありました。
親族の多く30人はいたでしょうか?
前回、頭の方に親族が見学していて、肌が少し見えると指摘があったため、今回は通常行なっている納棺をしました。
着せ替えは、やはりこの方が慣れていてスムーズ行なうことができ、自分でも安心して仕事ができました。
そんな中、いきなり顔を整えていると、「故人の入れ歯を入れてもらえないでしょうか?」と質問されコップの中にに入った入れ歯を持ってこられました。
「なんとかやってみましょう」と答え。
口が収縮していて、少しづつ広げて上の入れ歯を入れるのに成功しましたが、下の入れ歯が総入れ歯ではなく部分入れ歯でなかなか思ったように入りません。
奥歯がひっかかり、悪戦苦闘・・・
もう少し、口を開きいきなり、カチっと入りました。
苦戦をしながら、親族の見ている前でガチャガチャするのは、あまり良い光景ではありませんが、入れ歯が入ったところで遺族は大変満足されていました。
入れ歯を入れると顔が整い生前より綺麗な顔になったと、親族の方も満足気でした。
入れ歯を入れるとどうしても、口が開いてしまうので、タオルを数枚頂き、柩の中で口が開かないように固定させていただきました。
かなりの満足感が得られた様子でした。

2008年11月19日

手順の完成!!

ようやく、新方式の納棺の手順が完成した感じ!!
およそ、二ヶ月間に渡りいろいろ試行錯誤しながらここまでたどりつきました。
今回、大勢の親族の前で行うことができました。(四十人位)
大きな古い家で地元の名主で、本家筋にあたる当主が亡くなりました。
大勢の中には、やはり映画「おくりびと」をみている方もあり、後方から
「映画の納棺だ!!」
視線が集中しているのが、すごく感じられた。
掛け布団をめくる時や浴衣を引き抜くときは、感心しておられます。

単に、着せ替えの技術だけではなく前後のしぐさががプロの技の見せ所なんです。
大勢の人に見てもらって価値が生まれます。
「見せる納棺」を指針して、故人への思いやりを大切にする。
まだ、改良の余地があるだろう。
男性と女性とでは、髭剃りや化粧もさまざま、若い方もあれば高年齢の方もいる。
状態の悪い遺体もあれば綺麗な遺体もある、それぞれの違いを把握しながらより一層の励みが必要かと思います。
「布団の中で隠して着せ替えを行なう納棺」から「着せ替えの仕方を見せる納棺」への変換は、お客様はどちらを選ぶかは、これからの仕事ぶりにかかるだろう。

2008年11月12日

両足がない

八十歳、男性
親族が約20人ほどでしょうか、言葉少なく納棺を待っておられました。
体重もかなり重くがっしりた体格でしたが、いざ掛け布団をはぐると何か足の方が薄い。
なんと、両足が膝から下が無いではありませんか・・
故人は糖尿病で、1ヶ月前に腐って切断したようです。
まだ、足には包帯が巻いてあり生々しい感覚がおそいました。
特に、足のことも聞かず納棺をおこないました。
足袋はもちろん履けません。
そっと、柩の中に納めさせていただきました。
後から、葬儀社に聞くと
「少し前まで歩いているのを見ていたよ」
なんだよ、知っているんなら言ってよ・・・
何も知らされず、行なう仕事は怖い・・・
遺族もやはり、何も言ってくれないのは仕方ないかも。

2008年11月10日

プロ意識を

八十歳でひとり暮らしのおばぁちゃんが亡くなりました。
若いときは、スナックのママを営んでいて、かなりイケイケの女性。
葬儀は密葬で行うこと。
納棺には、親戚と友達の六人だけで寂しい感じがしました。
突然、仲間の一人が私の納棺を見学させてほしいと申し出てきた。
近くに、同業者がいるといささか緊張感をもちながら、納棺をさせていただきました。
浄土真宗なのに、お勤めと同時にだったのでお寺様も同席。
言葉少なく、新方式で着せ替え・化粧・納棺・・・
安置してある部屋も狭く、親族に向って納棺ができない。
遺族が頭の方から、見学・・(これは最悪なんです、隙間から肩が見えてしまう)
出来るだけ肌を見せないように行なったが、同業者からは背中まで見えたようだ。
同業者からの言葉では、丁寧だがプロ意識が強すぎるのでないだろうか、少し冷たく感じたようだ。
私の納棺は、プロ意識を深めすぐに出来るものではないような技を身につけることが、第一の目標です。
今までつちかってきた納棺からひと皮抜けたプロの納棺師。
着せ替えの技術だけではなく、もう一つ上の技術。化粧・顔の復元・髭剃りの上達が必勝でしょう。
今回では、眉毛のない女性だったので眉を書いてみた・・
眉の書き方で顔の印象がずいぶん違ってくるので、薄いブラウンで細く書いてみた・・
思った以上に、遺族には喜んでいただいたのでこちらも頑張ったかいがあった。

2008年11月 1日

結婚式寸前に

不幸は突然やって来るものです。
午前11時の納棺の仕事が入ってきました。
経過を伺ってみると、おばあちゃんが高齢で入院中でしたが、突然亡くなっていまいました。
かねてより、孫が11月2日に結婚式の予定でした、10月30日おばあちゃんが亡くなり先方の了解の上予定通り結婚式を行なうことになりました。
その孫が喪主を勤めることです。
葬儀は、11月15日に本葬。
今回は密葬にて納棺後、お寺様にお勤めをして頂いてから、出棺・家葬が行なわれました。
納棺のとき、結婚式の打ち合わせのため喪主は不在。
近い親族、10人で納棺・・
家には、忌中の幕も張らず看板もない、本当に密葬だね。。
「後から、喪主が帰ってきましたら」と納棺花を少し残して置いてきました。
緊急なことでしたが、親族はにこやかな雰囲気。

新方式の納棺を行ない、葬儀社の担当者が今までにないやり方に動揺ぎみ。
今回で、新方式は5回目基本的な手順もほぼマスター今までの経験と新しいスタイルの調合・・
親族の身をのりだして見学をしていました。
柩の中には、お菓子・お金(千円)・洋服が入れられ、顔の回りにお花いっぱいに飾りました。
姉妹のかたより「綺麗にお化粧してもらって良かったね。」と・・
不安の中、ひと言が嬉しかったですよ。

2008年10月22日

腐敗が進行してます。

警察署で久しぶりの遺体処理が入りました。
事故か自殺、状態が知らされていません。
とにかく、警察署に向かいました。
遺体は、大柄な男性がステンレスの台に遺体袋に包んでありました。
身体の損傷は、ほとんど無くようでしたが顔が黒く、硬直が解けているようでした。
警察官に死亡原因を尋ねると、「病死ですよ」
どうして病死なのに、警察に遺体があるの?
疑問が残ったまま、遺体を処置をして浴衣を着せて自宅へと輸送しました。
自宅には、土木系の男性がたくさんの故人を待っていました。
大勢の男性がストレッチャーで仏間に安置をされました。
遺体の腐敗が進んでいることを説明して、翌日すぐに納棺することを薦めました。
お腹に腹水が貯まっているようなので、ガスが出てくると顔面肥大なるので、あえて口や鼻をふさがないようにしました。
後日、納棺をしたときは、異常が見られなかったのですが、お昼が暑かったせいでしょうか?
口から血が出ているとの「なんとかしてほしい」と連絡がはいりました。
遺族に事情を説明して、「悪い状態になっているのでこれ以上のことはできませんの血がでたらふき取ってください」
遺族から、「柩の蓋を開いていいのか?遺体に触ってもいいのか?」
子供たちも初めての経験なので、どうしたらいいのかわからないようでした。
「できたら、綿を詰めないでください」と要望があったので、そのままに・・
「どうぞ、自由にお顔を綺麗にしてあげてください」
ご了承をいただいてその場は離れさせていただきました。
通夜・葬儀のときも目・鼻・口から血が出ていたようです。
あれから、苦情のような言葉はなかったようです。

2008年10月11日

事前に身体を去勢すること!

90歳の女性を納棺させていただきました。
年齢のわりには、肌つやがよく綺麗なおばぁちゃんでした。
背中が少し湾曲していて、膝が立っていました。
30分前に自宅に到着してら準備をしていると
喪主から「身内にはあまり、ボキボキするのはやめてほしい!」
と要望され、事前に布団の中で腰と膝の間接を外してみましたが、なかなか腰が真っすぐならない!!
このままだと、柩に収まりきらないなで思い切って力いっぱい頑張ってみましたらかなり真っすぐになりました。
喪主だけだったので、親族が集まる前だったので苦情にはなりませんでした。
喪主が男性だったので、かなりさっぱりした性格の人で、満足しているようでした。
あとから、喪主の奥さんが来て「何かしたの?」
喪主に伺っていました。
「おばぁちゃん!痛くなかった・・・」と問いかけていました。
長い間、看病してこられた奥さんにはこらえきれないことだったのかもしれません。
薄いリキッドタイプのファンデーションで整え、綺麗になったおばぁちゃんを奥さんが見て、「綺麗になっておじぃちゃんの側に行かれたね。」
満足そうでした。
事前に身体を去勢していたので、柩にも収まり無事に仕事を終えることができました。

2008年9月26日

映画「おくりびと」

映画「おくりびと」を観てきました。
一般にはよく知られていない世界「超すきま商売」とNKエージェントの事務(余貴美子)が言ってました。
一般的には、納棺は葬儀屋の仕事と思われがちですが、納棺師(士)はその道のプロ。
納棺はできても、納棺師にはなかなかなれない。
今私は、その道を歩んでいます。
葬儀社に勤めていた頃、本木さんが演じていた小林大悟役は、まさしくこの仕事につき始めた頃の私自身を思い出していまいました。
末広さんが演ずる奥さんが「触らないで・・・」の言葉が強く心に傷みました。
納棺をするときは、結婚指輪を外して仕事をしていたことを思い出します。(いつのまにか無くしてしまいしましたが・・)
友達からも敬遠されるようになり、友達もずいぶん減ってしまったことも事実ではなかろうか。
いろんな、お客様から無理難題もたくさんいわれ、その度にこの仕事はいったいなんだろうか?って。
遺体を触って、何があるんだろう・・ 初心者のときは、「お金がいいから我慢しなきゃ」と想いつつ一生懸命に仕事をこなしてきました。
映画の最後のシーンでは、別れた父親を綺麗にする場面では、私も離婚した離れていった父親の姿とまったく同じ、私の結婚と同時にその家族ともつき合うことになったが、わずか五年でその幕を閉じて亡くなってしまった。
こんな、偶然ってあるものだろうか。
私のあの映画に出演しているように(チェロは弾けないが)さえ思えました。
何度も妻と二人で、映画をみてきましたが、初めて涙を流してしまったのが、すごく恥ずしかったな~~。

2008年9月23日

新しい仏衣の着せ替え方に挑戦!!

今回から、納棺の着せ替えパターンを変更。

以前から、お客様(親族)に対して、着せ替え途中に納棺師の背中を見せてしまうやり方に疑問を持っていたところでした。

布団の中で、身体を動かさないないように遺体の右側で始まり、途中で左側から着せ替えをしなくてはなりませんでした。

北海道の親戚の葬儀にお参りに行った時、私と同様の納棺師が来て納棺をしていました。

父親と二人で札幌市内の納棺をしているそうです。(すこし、ケインコスギに似てたかな?)

着せ替えの仕方がまるっきり違っていました。

右側から動かず・・仏衣を着せ替え、遺体の身体が見えないようにする。

かなり、研究したやり方でした。

詳しく書いても良いのですが、企業秘密だったらまずいので、詳細は書きません。

富山に帰ってきて、自分なり思考思索しながら実践で少しづつ試して約半年・・

今回は、80歳の男性。。

少し身体が大きいのでやや不安でしたが思い切って新着せ替えパターンに挑戦してみました。

今までの布団の中で納棺するときは、中でもぞもぞしているだけで、何をしているのかよくわからなかったので、ごまかしも許されたが新パターンはごまかしが効かない。同時にあざやかさが見物です。

スーと浴衣を脱がすポーズ、仏衣姿の綺麗さがものをいいます。

プロの仕事まで、到達できた感じです。

まだまだ、ぎこちない点は少しあるけれど、回数をこなせばスムーズになるであろう。

遺族からには、とても感謝されました。(*^^*)

2008年9月17日

B型肝炎の男性 四十四歳

B型肝炎の男性 四十四歳
体重 80kgぐらいだろうか・・
私よりも若い男性を納棺するのはやはり嫌なものです。
肝炎ですから、感染の恐れがある。
手袋とマスクをして納棺をさせてもらう。

二人の子供のうち、大事な跡取り息子
そんな、小柄な身体を震わせながら納棺の儀を側で時おり涙ぐみながら見守るように視線を感じました。
この時、お母さんの視線が緊張感をつのらせ真剣に仕事をやらさせていただきました。
髭が濃く、髭剃りに結構時間がかかりました。
病院生活も短く、顔はふっくらとはりが有り生きているかのような肌つや、新しい替え刃を装着して綺麗に顔そりができました。
柩の中には、愛用していた、ブレザーとズボンと帽子を入れていただきました。
最後に、蓋を閉めるのに泣き崩れるお母さんに思い切り泣いていただきました。
仕事が終わり帰りの準備をしているとこに、お母さんが駆け寄ってきて「本当ありがとうございました」深々と頭をさげて見送ってくださいました。