2010年4月27日

肝硬変をわずらって長い闘病生活

59歳の女性を納棺しました。
女性は、肝硬変をわずらって長い闘病生活だったそうです。
肝硬変で怖いのは、その合併症です。合併症にかかった場合、重い症状があらわれることがあります。ここでは、肝硬変によくみられる「三大合併症」といわれるものをご紹介します。

腹水
たんぱく質を含む体液が肝臓や腸の表面からでてきておなかにたまる状態。
おなかがぽっこりと膨らむ。

肝性脳症
肝機能の障害のため、血液中の毒性物質が除去されず、脳に毒性物質が入り、脳の機能に障害を与える。
行動・気分の変化、判断力の低下、睡眠パターンの崩れなどがみられる。
ひどいと錯乱状態、こん睡状態などになる。

食道静脈瘤
静脈の血管にコブができる。
コブは血管内なので自覚しにくく、破裂すると大量出血するので死に至ることもある。

今回は、腹水が溜まり、肝性脳症で死亡ざれたようです。
祭壇に飾ってある、遺影写真は、スマートな女性であった。
ドライアイスで腹部は、ある程度凍っていたが、腹の中は腹水でポチャポチャ・・・
故人は、顔は小柄で美人ぽい・・
家族から、生前着ていた訪問着を着せてほしいと要望があり、長襦袢・着物・帯を長い時間をかけてタンスから探し始めた。
時刻も過ぎ、たくさん着物を持っていたのかなかなか決まらない。
桜と鴬を描いてある、高価そうな着物を探して「これを着せてください」
通常でした、後から上から羽織る方法でするのですが、家族のご意向だったので、着物を着せることを了解しました。
着ている浴衣を脱がし、まず下着変代わりに仏衣を通常通り着せてから、長襦袢から着物を着せてあげた。
腹水が溜まって、背丈を調整するのが大変・・・
なんとか、長襦袢と着物を一緒に着せたので、調整が難しいかった。
最後に帯は締めることが出来ないので、お腹の上から巻くように押し込んで、格好だけは整った。
そのまま、柩に納めました。

2010年4月 7日

納棺での弔辞

先日、剃刀のケースを足で踏み潰され、破損していました。
昨日、「フェザー」に連絡してケースはあるか問い合わせたところ、仕事に内容を説明してケースがほしいと頼みました。
ケースだけ販売していないそうです。
のちほど、連絡が入り、ケース単品を差し上げるというこで、無料で送っていただきました。
対応がすごく良かった。

フェザー理美容商品 プロフェッショナルシリーズ
http://feather.co.jp/jBarber_professional.htm

67歳の男性です。
ホールの都合上、一日延びて納棺だけ早く行いたいといわれ、通夜の前日に納棺をしました。

遺体は、普通で綺麗な顔をしていました。
ギャラリーは、およそ30人ぐらいでしょうか。
久しぶりに依頼があった葬儀社なので、気合いを入れて丁寧に仕事をさせていただきました。
新しい剃刀ケースから剃刀を取り出し、髭が濃いので新しい替え刃に交換して髭を綺麗にさせていただきました。
何故か、孫らしき男の子が三人が故人の頭の上に正座をしていました。
普通は、少し離れて見ているのものなのですが、
「そんな近くでも大丈夫?」
子どもたちは、平気な顔。

棺に遺体を納めて、故人の背広を中に入れると、突然、遺族から
「孫たちの手紙も入れてほしい」
「はい、わかりました」
すると、10歳ぐらいの男の子が、その手紙を読み始めました。
続いて、8歳ぐらいの男の子、6歳ぐらいの男の子が次々を読み始めました。
近くにいたのは、このことだったのです。
内容は、おじぃちゃんとの思い出、教えていただいたことなど葬儀のときの「お別れに言葉」に近いものでした。
お手紙を読み終えると、親族から拍手・・・
なんとも、いえない光景でした。
納棺の儀式で弔辞を読まれたのは初めての出来事でした。

2010年2月25日

首吊り自殺だぁ~

久しぶりに、警察暑に行きました。
警察暑の裏の車庫に、ステンレスの台に男性が横たわっている。
現状がよくわからなかったので、取りあえず遺体の情況を確認。
「首吊り自殺だぁ~」
首に白く細いロープがそのままになっていてが、遺体はそんなにひどくない!
ホールに直接遺体を安置したいと申し出があり、棺に納めることを同意を受ける。
同行していた、葬儀社の方が棺を用意に会社に戻った。
私は、一人で遺体を綺麗にアルコールで身体を拭いてあげました。
口から、舌が飛び出て少し舌が傷ついている。
舌を押し込んで、口に納めることができました。
少し、顔に傷が付いていたので、リカバリファンデーションでカバー。
顔の処置は、そんなには難しくなかった。
仏衣を着せると、普通の遺体のようになった。
ほぼ、同時ぐらいに棺が届き、警察官と三人で棺に納めました。

以前から、自殺常習者らしく、山中の車の中には、睡眠薬や練炭、ナイフが置いてあったそうです。
車の後ろのフックにロープを掛け、低い状態で首を吊ったようで、思い浮かべて考えるとよく死ねたな~と思った。
覚悟の自殺はそんなものなのかも。。

2010年1月20日

綺麗にしたい、痛くしないで。

91歳のおばぁちゃんが亡くなりました。
高齢であり闘病生活が長かったのでしょう、痩せてほとんどが骨と皮の状態。
背中が曲がって、アゴが上がって納棺には一番やりづらい遺体です。
唇も乾いていて、ホの形になっている。
喪主は、すごく母親思いで、祭壇も立派なものを選んだ。
何とかして、綺麗にして納めたかった。
最初に、入れ歯を入れたら顔が整うと思い入れ歯を入れるのを試みたが、なかなか入らない。
長い間、入れ歯を入れてなかったのだろう、歯ぐきが痩せて合わない!!
もたもたしている時、喪主が
「痛いから、止めてほしい」と止められた。

実際のところ、入れ歯を入れるのには、かなり時間がかかります。
その間、見ている家族は気持ちの良いものではありません。
これ以上、口元をかまうと遺族は怒られるような気がして、それ以上はやりませんでした。
顔を整形するやり方はいろいろあります。
含み綿やデッシュビルディングやワックス処理など。
眼が、カッと見開いているとは、かなりの時間がかかります。
事前に処置をしておけば、納棺時間は短縮することができますが、いきなりは親族の手前もありほどこしようがありません。
遺族の気持ちをどのように、考えれば良いのだろうか。
最後は、やはり綺麗な方が良いに決まっている。
しかし、作業を見たらやはり嫌なところが目立ちます。
この矛盾は、どうしたらいいのだろうか?
納棺師は、精一杯仕事をするがこの矛盾を解決する方法はないものだろうか。

2009年12月23日

頚動脈切り

ひと昔前までは『自殺』と聞くと、一般的には「複雑な事情があったのだろう」と思う反面で、どことなく自殺者を社会からの脱落者のように見ていたものだ。
しかし、現在の、この不況、倒産、家族崩壊、いじめなどによる自殺報道の洪水の中では、多くの人の自殺に対する感覚は、明らかに変わってきている。
つまり、「自殺したい人は、他人に迷惑さえかけなければ、好きにすればいい」というのが、本当のところの感想なのである。
もっとも、これは自分に全く関係ない者の自殺報道に対する感覚であり、自分の身内や恋人や、金銭上の利害関係のある者が自殺したとなれば、多少、感覚は違ってくる。

今回、若い男性が頚動脈を切って自殺をしました。
今までに、何回も自殺を見てきましたが、頚動脈を切って自殺を図ったのは初めてです。
話によると、一週間前にも自殺未遂を行っており家族も少し落ち着いてみえたのは気のせいだろうか。
遺体は、自宅に運ばれた状態のときは、死に切れずナイフで後頭部を刺したのが致命傷だそうで、右手が上部に上がったまま状態で安置されたようです。
硬直が強く、なかなか手が下に降りないままだと報告がありました。
私が、伺ったときは既に硬直が解けていてかなり硬かったが、なんとか右手を下に降ろすことができました。
右首の傷口にはテープが貼られており、出血はほとんどしていなかったが、枕にはベトッと付着していた。
頭部を拭いていると、一瞬で手が真っ赤に染まり一時中断させてもらった。
ぬるま湯と複数のタオルを用意してもらい、頭と首を入念に洗浄、頭部後部の出血跡に二重にテープを貼った。
柩に納棺して、家族や親戚の方々にお花を入れていただいたが、物静かに柩の蓋を閉めさせていただいた。
蓋を閉めると、今まで耐えていた両親が倒れるがごとく涙をしていた。
親戚の皆さんもつられてか、全員すすり泣く声がたまらない。

2009年12月10日

思い出を語る母親

32歳に女性の柩の中に入っているので、化粧をしてあげて欲しいと連絡がありました。
「死亡診断書を見ると車中において練炭自殺した」
と書いてあります。
死亡場所は、岐阜県の山中から病院に運ばれたが、残念ながら息は無かったそうです。
自宅には、父親が一人。
「葬儀社から来ました、準備をさせていただきます」
遺体を拝見すると、髪が長く綺麗な顔をしている。少し赤みかかっていたがほとんど問題はない。
棺布団の下には、雑に浴衣が着せてあった。
父親に「奥さんはどうしたのですか?」と訪ねると、
「歯医者に行ってます」
約束の時間に母親がいないと対処方法がわからない!
三十分ほど待つと、母親が帰ってきた。
「何か、柩に入れるものはありますか?」
すると、故人の着ていた衣服を沢山用意されました。
「どれを入れますか」
「この赤いジャンバーがよく着ていたので、これをお願いします」
収縮するジャンバーだったので、
「これを着せましょうか」
「できれば、お願いします」
柩に中で、遺体を傾けて着せてあげました。
父親と母親は、すごく喜んでいただいた。
それから、故人に化粧を入念に化粧水、乳液、下地と施し本人が使っていたファンデーション、チック、口紅、ヘアーオイルを使わせていただき仕上げさせていただきました。
最後に二人でカーネーションを中心に切り花を入れていただきました。
最後まで、母親は娘の思い出を話しながら、化粧を見ていました。

2009年12月 5日

鳥羽一郎の後援会のハッピ

突然の死は、やはりすごく悲しく辛いものです。
男性は、忘年会の帰り二次会、三次会と足を運び家に着いてから突然に倒れてそのまま帰らぬ人となりました。
あまりにも、突然の死に気持ちのの整理がつきません。
故人の上にには、大好きだった鳥羽一郎の後援会のハッピがかけてあった。
遺影写真を見ると、かなり若い時期の写真だろうか?かなり痩せた顔が複雑な気持ちにさせた。
頭髪を鳥羽一郎風にオールバックにかっこよく整えてあった。
奥さんと家族に故人の顔を拭いて頂いたが、悲しみと感情の高ぶりにかなり時間が思った以上にかかってしました。
柩の中には、大好きなカセットテープを入れさせてほしいと頼まれましたが、炉の都合で丁寧にお断りをしました。
しかし、プラスチック用のカラオケマイクを持たせたいと右手にしっかりと握って喪持たせました。
出棺のときは、外させていただくようにお願いしました。
柩の蓋を閉めるとき、娘さんでしょうかなかなか柩から離れない。
「これで、柩の蓋を閉じさせていただきます」
出棺の準備が整い、男性方に頼んだが、娘さんが柩にぶら下がるように泣き崩れた。
あまりにも、悲惨な叫び声がみんなの心を熱くさせました。
車の中では、道中泣きっぱなしだったそうです。
式場に到着してからも、娘さんは祭壇の遺影写真をず~~と眺めて父と話しているようでした。

2009年11月20日

ホールの控室は暑い

突然に納棺の依頼がありました。
電話で直接、「夕方空いていますか?」
「はい、大丈夫です。」
直接ホールに遺体が入ったようで、納棺はホールの遺族控室で行ってほしいとのこと。
午後二時に連絡が入り、納棺時間は午後五時から。
時間的には、余裕があったのでゆっくりと葬儀社に向かった。
ホールに直入りなので、また、家族葬だと思っていたら、どうやら普通の一般葬だそうです。
翌々日が友引だったのです。
今日のうちに、通夜を行って、明日葬儀を行うことが決定したのが、午後二時だそうです。
今から、ホールとはいえ祭壇を設営することに。

納棺は、五時になっているが、もっと遅くなって良い・・・
「一時間ぐらいかけて納棺してください」
そんなに時間をかけると、こちらとしても疲れるんで
柩の準備を五時から始め、ゆっくりと始めさせていただいた。
親族も二十人程度、普通かな!
この時期、外は寒いので室内は暖房でホカホカ・・
納棺は低い位置で仕事をしますが、さすがに体を動かすと暑い!!
喪主の息子さんが、納棺が始まってからシクシクと涙し、なかなか父親の顔を見ないようにしていた。
最後に、お花を入れていただいたが、手が小刻みに震えていたのが印象的でした。
柩には、故人が愛用していた、帽子を入れていただきました。

2009年11月 9日

「天気が良く」「たくさんのお供え物があり」「たくさんのお参りがある」

最近は葬儀会館で葬儀をおこなうことが多く、久しぶりに自宅の祭壇の設営をしました。
天候にも恵まれ、気持ちよく汗を流すことができました。
大きい家ですが、祭壇を飾るとすごく場所をとってしまうので、昔ながらの部屋の中央に柩を置いて祭壇を飾りました。
何分、家で葬儀をおこなうので、近所の会葬者や、地元の来賓者がたくさんお参りに来られます。
家の縁側から「出屋(だっしゃ)」といって、簡易とはいってもタルキで、骨組みを組んで床とバリヤフリーにして約20帖ものコンパネを敷いてジュータンその上に長椅子を用意して来賓席を設置。
会葬者を迎えるのに、祭壇よりも会場の設営が主でした。
花輪・籠盛・生花が非常に多く、何処におけばいいのかすごく悩んだ。
近所の世話方も、大勢でいろいろお手伝いいただき、大変助かりました。
これが、本来の葬儀のやり方ではないだろうか。
みんなの力で、故人を送る。

良い葬儀とは、「天気が良く」「たくさんのお供え物があり」「たくさんのお参りがある」よく、おばぁちゃんたちが言っておられました。
まさに、その通りの葬儀でした。
故人の写真を見て、涙を流している人。義理でお参りに来ている人。一つの行事としてお手伝いをしている人。さまざまな思いでお参りです。
私服で、お参りにきているおばぁちゃんたちが、「ペチャクチャ、ペチャクチャ」おしゃべりをしている。
普段、足が痛くなかなか葬儀会館まで、お参りに行けない近所の方々楽しげにお参りをしている姿が、こちらとしては不愉快だが何か気持ちがほっとする感じはなんだろう。

2009年10月24日

痛くないように、してくださいね

今日のお客様の打ち合わせ中
先日、納棺をさせていただいたお客様が葬儀社に支払いに来るという。
奥さんが「奥に行ってお客さんと会わないように」
私たち納棺師は、仕事が終わったら用無しか・・
確かに、葬儀社にすればあくまでも自社のお客様
納棺は仕事は、葬儀の一部の作業に過ぎない
一般的にいえば、お手伝いをさせていただいたお客様と遭遇しましたら頭ぐらいは下げるでしょう。
それも許せないのだろうか?
機械でもあるまいし。
葬儀社をたてるのは、礼儀ではあるがフリーはやはり孤独です。
某テレビ局のアナウンサーが
「会社員のときは、仲間がいたが。フリーになるとすごく孤独です。」
この意味がよく分かったような。。
フリーの立場は、お客様とコンタクトさえ許されない。

昼食時に何度か見知らぬ方に声をかけられる事があります。
「先日はどうも、ありがとうございました」
「いいえ、どういたしまして」
しかし、私はどなたかはよくわからい・・
故人の家族は、ほとんど覚えていない
かすかに、うる覚え・・覚えていないっていいだろう。
納棺師の仕事は、故人を見ているのだろうか。
それとも、遺族の顔は覚えていないが、遺族の思いを覚えているのだろうか?
今まで、他人の納棺に携わってきたが、なぜ覚えていないのだろうか?
「故人にこんなことした、遺族の想いに答えた」
これだけで、いいのだ。

長老の方に「痛くないように、してくださいね」
「はい・・・」
96歳の男性で、痩せ型で綺麗な故人でした。
手際よく、納棺して柩に納めました。
長老に尋ねてみると、
「ていねいにやっていただいて、ありがとうございました」
と答えられました。