出産祝い
誕生は、生れた本人にとっては人生の通過儀礼の出発点であり、「冠」の最初の祝いごとです。子をさずかった親にとっても、大きな喜びです。ことに初めての出産では喜びははかり知れません。その一方で、初めてのことなので、とまどうことも多いにちがいありません。そんなときの心得をあげています。
知らせる範囲と時期
■まず両家の両親に
子供が生れたら、まず、今か今かと孫の誕生を心待ちしている両家の両親にすぐに知らせましょう。誕生の日時、生別、体重、母子の健康状態をきちんと告げることを忘れないないようにします。
仲人、親戚、ごく親しい友人に知らせるのは、お七夜過ぎで、三週間以内に知らせるようにします。
■友人、知人にはあわてずに
ごく親しい人を除いて、出産の報告は急がないほうが無難です。あまり早く知らせると、お祝いを督促しているように誤解されかねません。年賀状や暑中見舞いなどで、さりげなく子供の名前と月数を書き添えるのがいいでしょう。
お祝いの時期とマナー
■産院に駆けつけるのは失礼
知らせを受けたからといって、出産直後に産院に駆けつけるのは、肉親以外は遠慮しましょう。出産直後の産婦は分娩や授乳のためかなり疲労していますので、何よりも休養が必要です。そこへ押しかけるのは失礼ですし、デリカシーに欠けます。知らせを受けましたら、さっそく電話か手紙などでお祝いの言葉を述べて、あらためて出向くようにします。
■二、三週間後に訪問しよう
産婦の疲労が回復し、母子共に落ちつくのに二、三週間はかかります。そのあと、お祝いに訪問をします。それも昼間に訪ねて短時間に切り上げることです。新生児の健康にも心を配り、風邪をひいていたらその旨を告げて、治してから訪問するようにします。タバコを飲むのも控えます。子供が急性ニコチン中毒にかかることもあります。だっこしたり頬ずりしたりしないのも、大切なマナーです。なお、肉親以外の男性の見舞いは遠慮すべきで、産婦に余計な気をつかわせないようにします。
お祝いの品々
■あらかじめ希望を聞いて
昔のしきたりでは、妻の実家から祝い着ひとそろいが贈られことになっていしたが、今では身内はもちろん、知人、友人から主に実用的なベビー用品が贈られるようになりました。
ただお祝いの品が重複してせっかくの好意が無駄になり、ベビーベット、ベビーサークル、ベビーカーが重なると、もらったほうがかえって迷惑になります。ことにベビーベットは、最近の狭い住宅事情から、使わない家庭も増えていますので注意しましょう。
親しい間柄なら、あらかじめ希望を聞いて贈るのがいいでしょう。
■実用的な消耗品なら無難
贈り物として無難なのは、重複しても苦にならない消耗品です。紙おむつ、おむつカバー、バスタオル、肌着、シーツなどは、重宝します。
最近は、当座必要なものは揃っている家族が多いんので、六ヶ月後、一年後に役立つものを先を見通して贈る場合もあります。ベビー服、おもちゃ、人形なども喜ばれます。ただし、おもちゃや人形は、赤ちゃんが口に入れても安全なものを選ぶことです。
赤ちゃん名義の貯金(預金)通帳、赤ちゃんの名入りのアルバムもしゃれています。
誕生祝いといっても、何も赤ちゃんのものだけに限りません。母親の喜びを祝福する意味で、婦人ものの衣装、装身具など贈っても喜ばれます。
親しい友人ならば、現金、商品券もいいでしょう。出産費用も結構負担になるので喜ばれます。
二人目の赤ちゃんには
二人目の赤ちゃんの場合は、最初の子のときに使ったお下がりで間に合うことがあります。実用品を贈るよりも、よそ行きの外出着、おしゃれ着、装飾品にするほうが多いようです。この場合、上の子にも何か贈る気配りがあると良いでしょう。
◇表書きは「御祝」
お祝いの品にはのしをつけ、紅白の水引を蝶結びにして結び切りはしません。結び切りは二度とないように、という意味なので、何度あってもうれしい誕生祝いのようなおめでたには決して使いません。表書きは、「御祝」とします。
なお死産の場合は、水引やのしは遠慮して、ただ「御見舞」と表書きして、花や果物、現金を贈ります。
産院へのお礼
産院の医師や看護士は出産にかかわるのが仕事、といってしまえばそれまでですが、おめでたに手をかしてくれた担当医や看護士にお礼をするのがしきたりになっています。ただし、病院によっては、贈り物を一切固持するところもあります。
お礼は内祝いの感覚で、退院時に担当医、婦長に手渡しをします。医師には現金、商品券、ワイシャツ、酒などを、婦長には看護士全員に行き渡るように、菓子折、コーヒーセット、果物など数のあるものを贈ります。
◇表書きは「御礼」
贈りものにのしをつけ、紅白蝶結びの水引をかけ、表書きは「御礼」とします。
死産の場合にも、世話になったことには変わりはありませんので「御礼」とします。ただし、のし、水引はつけません。
お返しは内祝いの形で
内祝いは厳密にいえばお返しではありません。あくまでも、誕生祝いを内々にさし上げるという感覚で、お祝いをもらった人のほか、出産を知らせた人に贈ります。
昔は、紅白の餅、赤飯と千歳飴、かつお節を贈るしきたりがありましたが、現在では、祝儀用の砂糖、石鹸、タオルセットなど贈ります。
時期はお宮参り前後、つまり三十日くらいに直接届けるのが原則ですが、多い場合はデパートなどからの直送も行なえるようになりました。遠方の人には、礼状を添えて贈るます。赤ちゃんの写真を同封するのもいいでしょう。
◇表書きは「内祝」
のし、紅白蝶結びの水引をかけ、「内祝」と表書きし、その下に赤ちゃんの名前を書きます。
出生届の出し方
出生届は、誕生日を含めて十四日以内に提出しなければなりません。十四日目が休日のときにはその翌日まで届けます。届け先は、両親の本籍地、現住所、赤ちゃんの出生地のいずれかの市区町村役場です。用紙は市区町村役場もしくは、産院でも用意されています。
本籍地の役所なら一通を用意しますが、現住所が本籍地と違う場合は二通必要となります。
届け出は父親が一般的ですが、母親、代理人、同居人、担当医、助産婦で届けることができます。届け出の際には、医師か助産婦が必要事項を記入した出生証明書、母子手帳、届け出人の印鑑が必要です。出生届ずみの証明をもらうことです。
死産の場合は、妊娠四ヶ月を過ぎていましたら死亡届が必要となります。


