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【 新築祝い 】
家を新築することは、多くの人々の夢であり、その夢がかなった人生の喜ばしい節目といえます。新築祝いは、その人生の節目を祝う行事です。家を新築する順序として、地鎮祭、棟上式、新築披露の行事です。
ことに棟上式、新築披露は必ず行なわれます。
■地鎮祭
和訓では「ところしずめのつまり」というます。地祭、鎮祭、鎮地祭、鎮謝、地勧請の呼び名もあります。土木や建築工事を始める前に、大地主神(その土地の神)、土産神(氏神)を祀って、工事の無事と一家の末長い繁栄を祈願する儀式です。非常に古い儀式で、持統天皇の五年(六五一)に「新益京を鎮め祭る」と『日本書記』に出ています。昔は人形、鉾、鏡、玉などが埋められ、古式ゆかしく行なわれていましたが、現在では、建主と工事関係者だけが内輪に略式で行なわれるようになりました。
地元の神主に依頼すること
儀式の祭主は神宮です。地鎮祭はその土地の神を祀るのですから、たとえ知り合いの神宮がいても地元の氏神の神官に依頼するのが筋です。
地鎮祭の吉日を選んでもらい、日時を決めます。場所、どんな家を建てるかも、はっきりと伝えておきます。
祭壇の準備
工事現場を紅白の幕で囲い、敷地の中央に清砂を盛り、八足机の上に榊と五色の御幣(ごへい)、鏡がまつられます。榊は、神が宿る神木としての神籬(ひもろぎ)として五本、お祓い用として二本を用意します。御幣は紙か布を切って長細い木にはさんで垂らした神祭用具です。
そしてその前に御神酒一升、塩一合を盛った小皿、盆に三角に折った半紙をのせ、その上に白米一合をのせ、山の幸として野菜と果物、海の幸として尾頭つきの魚もしくは、するめを供え、水を供えます。
八足机の周囲に四本の笹つきの青竹を立てて、しめ縄を張ります。
このうちに、建主が用意するのは、御神酒、白米、塩それぞれ一合、海の幸、山の幸の魚や野菜類で、神祭用具は神官が、しめ縄、青竹、紅白の幕まどは工事関係者が用意します。
式次第
式次第については、神官からあらかじめ説明があります。進行中もその都度、指示をしてくれます。
式次第は、まず神官の礼拝から始まり、修祓(お祓の儀)、祝詞奏上がおこなわれます。ついで建主が鎌で草を刈り、工事関係者が鍬入れをしたあと、玉串の奉奠が行なわれます。玉串奉奠の順序は、施主、その家族、設計者、棟梁、とび職となっています。そのあと、全員で乾杯をして折詰を配ります。
謝礼と挨拶
神官、棟梁、とび職に謝礼を出します。のし袋に紅白蝶結びの水引をかけ、神官には、「神饌料」、設計者、棟梁、とび職には「御祝儀」と表書きをします。棟梁はとび職の三倍というしきたりもあります。今は、設計から完成まで一貫して行なうことも多いようです。
地鎮祭が終わってその場で全員で乾杯してお開きにすることもありますが、別に会場を移して工事関係者を招待して祝宴を開くこともあります。
隣近所には工事中、騒音、車の出入りその他で迷惑をかけますので、タオルや菓子折などをもって挨拶回りをして、新築する家の概要や工期についての説明をしておきます。建築中のいきちがいで隣近所と不仲になるケースが少なくありませんので、充分に気をつけましょう。
■上棟式
江戸時代から定着
上棟式(じょうとうしき)は、棟上げ式(むねあげしき)ともいわれます。新築の家の土台が出来上がり、柱、梁、桁、力板などの骨組みが完成したあと棟木を取り付けて補強する際に行なう儀式で、本来工事の最高責任者である棟梁が、完成までに災いが起きないように願いをこめて行なうものです。現在では、建主が工事関係者に気持ちよく仕事を進めてもらうためのもてなしの意味もあります。
上棟式は平安時代初期から行なわれ、中世に盛んとなり、居礎(いしずえ)、事始め、手斧始め(ちょうなはじめ)、立柱、上棟、軒づけ、棟つつみ等、完成までの建築儀式が数多くありましたが、江戸時代になって、これらの建築儀式を代表する形で、上棟式だけが行なわれています。
棟木に御幣を飾って祈る
家の中心になる棟木に御幣(幣束)、鏡、櫛を飾り、御神酒、米、塩、魚、果物などを供えて、棟梁または工事責任者が取り仕切って式を行ないますから、式次第は指示に従えばいいでしょう。建主側としては、棟梁を囲んで大工、とび職、左官などの労をねぎらうように心がけます。酒席を設けますが、近頃では酒席を設ける代わりに缶や瓶詰の清酒を持たせるケースも増えています。
上棟式に町内の役員や近所の人を招く土地もあり、棟木の上から餅やおひねりをまいたり、隣近所に赤飯を配ったりする土地もありますが、最近は簡素化になってきています。
祝儀は棟梁と相談して決める
建主は上棟式当日に、工事関係者に祝儀を配ります。金額は地鎮祭より多めにします。
通常、大工、左官屋などの下職は棟梁の三分の一とされていますが、棟梁や工事責任者に相談して額を決め、祝儀袋に入れて一人一人に渡してか、棟梁に一括して渡し、棟梁から配ってもらってもいいでしょう。
| 地鎮祭・上棟式 | |
| 表書き | 神官には「御祭祀料」 工事関係者には「御祝儀」 |
| 水 引 | のし付紅白蝶結び |
| 贈る時期 | 儀式当日 |
| 金 額 | 神官に1万〜3万円 お車代5千円位 工事関係者に5千円位 |
■新築披露
招待する時期と相手
新築披露は、家が完成して、家具調度など、内外の整理が終わってから行います。
披露が目的ですから、外装も見てもらえるように、明るい昼間のうちに時刻を決めます。家の新築というと最近は郊外の場合もあります。その場合、客が遅くならないように、打ち上げの時刻も早めに決めておくおくことです。招待する時間は、例えば午後一時から午後三時までなどと明記します。
日時が決まりましたら、招待状を出します。地図、電話番号も明記をして披露当日の二週間前に届くようにするのが礼儀です。
招待する相手は、主な親戚、親しい知人や友人、お祝いをくれた人、特に世話になった人、保証人、工事責任者か棟梁、設計者などです。
気軽なパーティー形式で
新築披露は内祝いですので、盛大な宴席を設ける必要はありません。ティーパーティー、ビアパーティー程度を考えて、アルコール類と簡単なおつまみでいいでしょう。せいぜい寿司の出前をとる程度にして大げさにすると、かえって相手に負担がかかります。
招待した人が訪れました、まず家中を案内します。それからパーティーに参加してもらいます。
招かれた客のエチケット
あくまでも主人の案内で拝見するのが礼儀で、たとえ親しい間柄でも、勝手に見て回るのは失礼です。また、方位や間取りについて気になるところがあったとしても、絶対に口にすべきではありません。建主には建主なりの意図があり、熱い思いがありますので。建主の言葉に率直に耳を傾けて、むしろ積極的にほめるのがエチケットです。批判は慎むべきです。
●新築に関する忌み言葉
また、人によっては忌み言葉を嫌がるので、使わないようにするのが無難です。ことに、お祝いの手紙など、あとに残る場合は忌み言葉に気をつけます。
◇忌み言葉
燃える(火、炎、焔、煙) 焼ける 閉じる つぶれる 破れる 傾く さびれる
する(麿・摩) 失う 流れる 飛ぶ 腐る 朽ちる 崩れる 壊れる 落ちる 終る
お祝いの品々
大邸宅ならともかく、置時計を五個も十個も持っていましたら困るし、贈る側としても効果的ではありませんから、相手のほしいものを聞くのが現実的です。
無難な贈り物としては、置時計、壁掛け時計、傘立て、スリッパ入れ、玄関マット、マガジンラック、暖簾、帽子掛け、絵、置物、などの室内装飾品か、観葉植物、鉢植えなどが喜ばれるでしょう。
ライター、ストーブなど火に関係するものはタブーです。
お祝いの品は、新築披露の前日まで届くように送ります。やむを得ず当日持参するときには仰々しくせず、ほかの客に目立たぬようにそっと渡すのがマナーです。
現金を包む場合もあります。
◇表書きは「御新築祝」
品物の場合はのしをつけた紙で包み、紅白蝶結びの水引をかけて、表書きは「御新築祝」「祝御完成」「御祝」などにします。
現金の場合も、のし袋に紅白蝶結びの水引をかけて、「御酒料」「御祝」などと記します。
招いた人にはお返しは不要
新築披露に招いた人には、お返しは不要ですが、わざわざ来てくれたことへの感謝をこめて礼状を出します。
招待しなかった人には、もらった品物の半額から三分の一にあたる品物をお返しとします。
◇表書きは「新築内祝」
お返しを送る際には、のし、紅白蝶結びの水引をかけて、「新築内祝」あるいは「内祝」などと表書きをします。




