80年代の人気アイドルで、歌手、女優として活躍した甲斐智枝美さん(かい・ちえみ=本名・長谷部(はせべ)智枝美)が、06年7月10日に千葉県習志野市内の自宅で、心不全のため亡くなっていたことが11日、分かった。43歳。
松田聖子と同期の80年デビューで、柏原芳恵、河合奈保子らとグラビア雑誌を何度となく飾った往年の人気アイドルが、自宅で急死した。この日夜、習志野市内で営まれた通夜には、親族らが出席。90年に結婚した夫でスタジオミュージシャンの長谷部徹氏(43)は「動揺しています。でも、2人の息子と生きていかなければいけません。今はそっとしておいてください。申し訳ありません」と話すのが精いっぱいだった。
関係者によると、10日午前、家族の通報で智枝美さんの自宅に救急車が駆けつけたが、すでに死亡しており病院に搬送されることはなかった。同日午後、遺体は1度習志野署に運ばれ検視が行われた。
智枝美さんは79年、日本テレビ「スター誕生!」で、29代グランドチャンピオンを獲得。80年、ホリプロからデビューした。事務所の先輩のポスト山口百恵として期待され、シングル曲「スタア」を発売。歌手と同時に女優、タレント業も並行させ、アイドル雑誌の表紙を何度も飾った。
「野々村病院物語」(81年)「高校聖夫婦」(83年)など、人気ドラマにも立て続けに出演。87年には、日本テレビ系の連続ドラマ「見上げればいつも青空」で、美容室経営のヒロインに抜てきされた。
アイドルから女優へ転身も順調だったが、90年10月、堀越高校の同級生だった長谷部氏と結婚。91年10月に第1子を出産するなど2人の男の子に恵まれた。結婚後、芸能活動は一切控え、生花店を営んでいたとの情報もある。葬儀場には家族4人で撮影された写真が十数点飾られていた。
智枝美さんがデビューした80年のアイドル同期生には松田聖子を筆頭に、河合奈保子、柏原芳恵、岩崎良美、男性では田原俊彦がいる。翌81年は松本伊代、伊藤つかさ、近藤真彦ら、82年は小泉今日子、中森明菜、原田知世、早見優、堀ちえみ、石川秀美が続いた。人気実力ともトップだった山口百恵が引退した80年以降、「ポスト百恵」の座をめぐり激しい競争が始まった。70年代後半はニューミュージックに押されていたヒットチャートも同年を境にアイドル中心に。活動の幅も多様化し、歌手、女優、グラビアにアイドルが進出。印象に残るタレントが多かった。
◆甲斐智枝美
1963年(昭38)6月16日、福岡県大牟田市生まれ。堀越学園卒。79年、オーディション番組「スター誕生!」で第29代グランドチャンピオンとなり芸能界入り。80年にシングル「スタア」で歌手デビュー。ドラマ「GOGO!チアガール」「野々村病院物語」など女優でも活躍。90年、ドラマー長谷部徹氏と結婚し、芸能界を引退。