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2009年12月23日

頚動脈切り

ひと昔前までは『自殺』と聞くと、一般的には「複雑な事情があったのだろう」と思う反面で、どことなく自殺者を社会からの脱落者のように見ていたものだ。
しかし、現在の、この不況、倒産、家族崩壊、いじめなどによる自殺報道の洪水の中では、多くの人の自殺に対する感覚は、明らかに変わってきている。
つまり、「自殺したい人は、他人に迷惑さえかけなければ、好きにすればいい」というのが、本当のところの感想なのである。
もっとも、これは自分に全く関係ない者の自殺報道に対する感覚であり、自分の身内や恋人や、金銭上の利害関係のある者が自殺したとなれば、多少、感覚は違ってくる。

今回、若い男性が頚動脈を切って自殺をしました。
今までに、何回も自殺を見てきましたが、頚動脈を切って自殺を図ったのは初めてです。
話によると、一週間前にも自殺未遂を行っており家族も少し落ち着いてみえたのは気のせいだろうか。
遺体は、自宅に運ばれた状態のときは、死に切れずナイフで後頭部を刺したのが致命傷だそうで、右手が上部に上がったまま状態で安置されたようです。
硬直が強く、なかなか手が下に降りないままだと報告がありました。
私が、伺ったときは既に硬直が解けていてかなり硬かったが、なんとか右手を下に降ろすことができました。
右首の傷口にはテープが貼られており、出血はほとんどしていなかったが、枕にはベトッと付着していた。
頭部を拭いていると、一瞬で手が真っ赤に染まり一時中断させてもらった。
ぬるま湯と複数のタオルを用意してもらい、頭と首を入念に洗浄、頭部後部の出血跡に二重にテープを貼った。
柩に納棺して、家族や親戚の方々にお花を入れていただいたが、物静かに柩の蓋を閉めさせていただいた。
蓋を閉めると、今まで耐えていた両親が倒れるがごとく涙をしていた。
親戚の皆さんもつられてか、全員すすり泣く声がたまらない。

2009年12月10日

思い出を語る母親

32歳に女性の柩の中に入っているので、化粧をしてあげて欲しいと連絡がありました。
「死亡診断書を見ると車中において練炭自殺した」
と書いてあります。
死亡場所は、岐阜県の山中から病院に運ばれたが、残念ながら息は無かったそうです。
自宅には、父親が一人。
「葬儀社から来ました、準備をさせていただきます」
遺体を拝見すると、髪が長く綺麗な顔をしている。少し赤みかかっていたがほとんど問題はない。
棺布団の下には、雑に浴衣が着せてあった。
父親に「奥さんはどうしたのですか?」と訪ねると、
「歯医者に行ってます」
約束の時間に母親がいないと対処方法がわからない!
三十分ほど待つと、母親が帰ってきた。
「何か、柩に入れるものはありますか?」
すると、故人の着ていた衣服を沢山用意されました。
「どれを入れますか」
「この赤いジャンバーがよく着ていたので、これをお願いします」
収縮するジャンバーだったので、
「これを着せましょうか」
「できれば、お願いします」
柩に中で、遺体を傾けて着せてあげました。
父親と母親は、すごく喜んでいただいた。
それから、故人に化粧を入念に化粧水、乳液、下地と施し本人が使っていたファンデーション、チック、口紅、ヘアーオイルを使わせていただき仕上げさせていただきました。
最後に二人でカーネーションを中心に切り花を入れていただきました。
最後まで、母親は娘の思い出を話しながら、化粧を見ていました。

2009年12月 5日

鳥羽一郎の後援会のハッピ

突然の死は、やはりすごく悲しく辛いものです。
男性は、忘年会の帰り二次会、三次会と足を運び家に着いてから突然に倒れてそのまま帰らぬ人となりました。
あまりにも、突然の死に気持ちのの整理がつきません。
故人の上にには、大好きだった鳥羽一郎の後援会のハッピがかけてあった。
遺影写真を見ると、かなり若い時期の写真だろうか?かなり痩せた顔が複雑な気持ちにさせた。
頭髪を鳥羽一郎風にオールバックにかっこよく整えてあった。
奥さんと家族に故人の顔を拭いて頂いたが、悲しみと感情の高ぶりにかなり時間が思った以上にかかってしました。
柩の中には、大好きなカセットテープを入れさせてほしいと頼まれましたが、炉の都合で丁寧にお断りをしました。
しかし、プラスチック用のカラオケマイクを持たせたいと右手にしっかりと握って喪持たせました。
出棺のときは、外させていただくようにお願いしました。
柩の蓋を閉めるとき、娘さんでしょうかなかなか柩から離れない。
「これで、柩の蓋を閉じさせていただきます」
出棺の準備が整い、男性方に頼んだが、娘さんが柩にぶら下がるように泣き崩れた。
あまりにも、悲惨な叫び声がみんなの心を熱くさせました。
車の中では、道中泣きっぱなしだったそうです。
式場に到着してからも、娘さんは祭壇の遺影写真をず~~と眺めて父と話しているようでした。

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