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2012年1月12日

柩の蓋が閉まらない

遺体には、様々な恰好で亡くなる方がいます。
体が小さく、くの字になっている方や顎が天井を向いていて首が開いて曲がらない方。
膝が曲がっていて全然伸びない方。
今回は、左足が麻痺をしていて腰と膝が垂直になっていて、背が高い方で足も長い。
これが原因でそのまま納棺すると柩の蓋が浮いてしまう。
柩もふたに余裕のある布張りの柩を用意してもらったが、膝までの高さを測ってみるとやはりこの状態では蓋が閉まらない。
喪家について、遺体を確認していると長男から
医者が言うには「膝をのばすには、必ず『バキ!』っという音がでます」
長男からは、絶対に『バキ!』をいわせないでくれ。斜めになってもいいからと言われました。
仕方がないので、そのまま仏衣に着せ替えまではしたのですが、柩に入れた状態で一度蓋の確認をしてみる。
やはり、蓋が浮いてしまい強めに抑えてみたが、反動で元に戻ってします。
体を斜めにして、両足をタオルで縛りなんとか柩に収めることができた。
足を縛っているとき、故人の奥さんが「なんでこんなことにせんなん!」叫ぶように泣いていました。
こんなに辛い納棺は初めてかもしれません。

いつもは、早めに当家に伺って、戸を閉め切って関節を折ったり関節を外したりして納棺までにはある程度身体をほぐしているものだが。

納棺が終わり、自宅から式場まで運搬している途中で「縛っても、バキ!よりもいいでしょう」と長男な言っていました。

満足な納棺はしていないが、遺族意向を大切にした納棺ではなかっただろうか。

2011年4月27日

自宅の風呂で全身熱傷

前日に同じ葬儀社で納棺をさせていただき、次の女性の納棺もやってほしい。
その女性は風呂場で、心筋梗塞を起こしそのまま熱い熱湯を出しっぱなしで全身熱傷。
葬儀社の方と同行して遺体を確認しました。
布団をはぐり、見ると無惨にも顔・手足・胴体もすべて皮膚がただれてしまっているが、異常な臭いも無く少し血がにじんでいるだけのようです。
相談した結果、翌日予定通りに納棺をする決断しました。
翌日、納棺時間よりも一時間程度早く自宅に入り、準備をすすめた。
遺体の損傷が多いので、安置してある部屋を幕で隠し、遺族や親族には見えないようにシャットダウン。
しかし、小窓から子どもたちが面白がって、覗き始める。
その間、両親に説明してあやしてもらうことにしました。
いざ、心を引き締めて・・
掛けてある布団をはぐり、やけただれた真っ赤な身体をタオルで軽く押さえながら身体を清めました。
敷き布団は薄く血がにじんでいるので、新しいバスタオルを二枚ひいて仏衣に血が付かないように心がけました。
出血のひどい箇所は包帯とテーピングで押さえましたが、仏衣の左側に多少血がにじんでしまいました。
もうこれ以上、綺麗に処置をしても無駄だと判断。
顔も焼けただれていたので、下手に触ると異常なほど皮膚がむけてくる。
上から押さえるように、スプレーファンデーションをかけて整えたら少し見れるようになりました。
柩に納めるまで、しばらく時間をいただき親族に集まっていただき、経過を簡単に説明して男性方に納めていただいた。

2011年3月26日

フィリピン男性の納棺

フィリピンの男性が亡くなり、葬儀会館に直接安置されています。
男性の死因は確認できていません。
まだ、死亡診断書が手続き上出ていません。
担当者によると、エンバーミングを希望されていましたが
エンバーミング料金+空港までの搬送料金+空輸料金+旅費
などでおよそ120万前後用意しなくてはなりません。
エンバーミングを施しするか、こちらで火葬か決めてもらうのに1時間程度待っていたそうです。
結論として、日本で火葬をして自国に持っていくと決断。

調べてみると、
葬儀・葬式はどの国でも同じ厳正な式典。 
フィリピンには、葬儀を行う施設が一般に使われていて、一般的な所得のある人達が使用しているそうです。
このお通夜が何日続くのか分からないのがこの国らしく、身内が外国に出稼ぎに行っているとか外国に住んでいる場合、通常3日から1週間位のお通夜が、実際は何日になるか分からない。
遺体はホルマリンで防腐処理され、その上ドライアイスを入れて変色を防いでいる。
棺桶は顔の部分がガラス、別れを惜しんで来た人は顔を覗ける様になっているそうです。

そして、私の出番・・
親族(妻)?だと思う!!
少し日本ができるらしく、片言だが手振りを交えながら話を進めることができました。
宗教はカトリック。
フィリピンの納棺はどうするのだろうか?
こちらでは、仏式に使う仏衣を用意して確認をしてもらい、「これは日本の喪服にあたります」と説明。
遺族に了解してもらい、納棺の準備にかかります。
すると、部屋にはやたらと女性が多い、また子どもも数人・・
全員一族だろうか、20人はいただろう。
英語のようなフィリピン語が入り混じって話をしているが、さっぱり理解ができない。
少し英語を勉強しておけばよかったなぁ~とつくづく思いました。
4時から納棺になっていたが、教会からシスターが来るので待っていることに。
時間前にシスター2人が到着。
日本語が全然できないようで、手を合わせて聖書を読みたいとアピール。
これがまた長い・・約50分だったろうか。
シスターが2人共帰ってからやっと納棺の儀式が始められました。
通常やっているように仏衣を着せ替えを行っていたが、やたらにデジカメでパチパチ・・
そんなに写さなくてもいいだろう。
珍しい納棺のやり方に感動していたようです。
そして、棺に納めたいのですが、男性は何故か手伝ってくれない。誰一人手伝わない。
遺体の男性なので、一人ではどうしようもない。
仕方ないので、スタッフを呼んできてこちらで棺に納めることに。
遺体には、絶対に触れない風習があるのだろうか?
一族?全員に柩の中に献花をしてもらい、柩を安置させていただきました。
緊張の連続、初めてのフィリピンの方の納棺でした。

2011年3月17日

ひげ剃りの替え刃を途中で交換

立派な家で、バブル時代に建てたものでしょう。
工務店を経営していて、自分のデザインで設計したらしい。
玄関を入ると、高い天井・・・そして大きなシャンデリア
居間に入るドアは、上部を半円にしてありすごくオシャレに造ってある。
三階建てのように見えるが、実は中二階があり、仏間はそこにあった。
その中二階にに遺体が安置してあった。
親族のかなり多く・・納棺のお勤めを待っていた。
若いときから身体を鍛えていたのだろう、がっしりした胸、体重は80キロはあったろうか。
また、腕が長い・・・
仏衣に着せ替えるのがひと苦労でした。
ひげも、かなり濃い・・ひげを剃る音が、ジャリジャリと大きく響き途中で切れ味が悪くなり替え刃に交換。
これほど、ひげ剃りが大変だとは・・・
10分程度ひげを剃っていたのではないだろうか。
剃り終わってから、親族の皆さんは「すごく綺麗になってツヤツヤなったね」
とすごく喜んでいただいた。
「今どきの納棺師床屋は床屋さんと同じことをするんだ」
髪を整え綺麗になって柩に納めました。
ストーブの暑さと熱気、そして緊張の連続で久しぶりに汗を一杯かいだ仕事でした。

2011年3月 3日

うつ伏せの納棺

何件も一日に葬儀が行われると葬儀の片付けや通夜の準備など、納棺時間帯は当日の初七日法要の時間と重なっていて大変葬儀社としては忙しい。
納棺をする社員は三人いるのに、外部に二件納棺を依頼してきました。
今回、私が担当するのは、ホール直接遺体が運ばれ一人暮らしの年配の女性でした。
喪主も姉妹の夫で名字も違っていた、親戚の方も7人。
納棺時間が午後四時、納棺前に読経があるのでしばらくの間事務所で待機をしていました。
葬儀社のスタッフもその時間帯は全員出払っていた、事務員一人でてんやわんわ・・
遺体の状態も聞かず・・
10分ぐらい経過すると入り口の廊下で読経が終了するのを待っていました。
納棺を始めると、なんと「体がうつ伏せ」なっているではないか。
こんな体型で亡くなってしまったのだろう。
さすがにこんな体勢の遺体は始めたです。
もっと先に遺体を見ていれば、やり方もいろいろあったがこのままの状態で着せ替えをして無理な状態にもかかわらず化粧もおこなった。
柩に納めても、顔が45度まで見せるのが精一杯でした。

2010年11月 8日

80歳のおばぁちゃんの納棺

80歳のおばぁちゃんの納棺でした。
遺影写真をみたら80歳程度のおばぁちゃんでしたが、遺体の顔をみるとすごく若々しい顔をしているんです。
年齢より、老けて見えるものなのですが何故か若く見える不思議です。
顔は痩せているのですが、艶がいい!!
身体は、痩せているが綺麗に寝ている。
こんなにやり易い納棺は久しぶりです。
喪主(夫)も高齢で、椅子に座って納棺をみていた。
長い間、連れ添ってきた妻との「最後の別れ」
涙は、隠せない様子。
綺麗にお化粧して柩に納め、長く着ていたセーターとカーデガンを一緒に納めました。
小さい身体で、当家の要として夫を支えてこられたのであろう。
親戚の顔色からは、そんな気持ちが伝わってくるようでした。

2010年11月 6日

100kgを越える男性

亡くなってから数日経過していて、100kgを越える男性を納棺しました。
190cmで蓋も中央が上がっている柩を用意していただきました。

一人暮らしで、自宅で亡くなったのか遺体に遺族が着せたのか胸元が開き、浴衣の重なっていない。
浴衣紐も股間近くで結んであり、それにお尻から汚物が出ていて処置するにも重くてなかなか腰が動かない。
力を込めて身体を起すことができ、詰め物処置を汗をかきながら頑張りました。
次に髭を整え不精ひげを綺麗に剃り、赤みかかった顔にファンデーションを塗り、口と鼻に詰め物をしてどうにか納棺のお勤め時間まで間に合った。
先に納棺勤行をあげて頂だいてから仏衣の着せ替えを行いました。
自宅死亡の場合は、遺体が汚れてときが多いので大変です。
親族も少なく、男性五人で重い遺体を柩に納めさせていただきました。

2010年4月27日

肝硬変をわずらって長い闘病生活

59歳の女性を納棺しました。
女性は、肝硬変をわずらって長い闘病生活だったそうです。
肝硬変で怖いのは、その合併症です。合併症にかかった場合、重い症状があらわれることがあります。ここでは、肝硬変によくみられる「三大合併症」といわれるものをご紹介します。

腹水
たんぱく質を含む体液が肝臓や腸の表面からでてきておなかにたまる状態。
おなかがぽっこりと膨らむ。

肝性脳症
肝機能の障害のため、血液中の毒性物質が除去されず、脳に毒性物質が入り、脳の機能に障害を与える。
行動・気分の変化、判断力の低下、睡眠パターンの崩れなどがみられる。
ひどいと錯乱状態、こん睡状態などになる。

食道静脈瘤
静脈の血管にコブができる。
コブは血管内なので自覚しにくく、破裂すると大量出血するので死に至ることもある。

今回は、腹水が溜まり、肝性脳症で死亡ざれたようです。
祭壇に飾ってある、遺影写真は、スマートな女性であった。
ドライアイスで腹部は、ある程度凍っていたが、腹の中は腹水でポチャポチャ・・・
故人は、顔は小柄で美人ぽい・・
家族から、生前着ていた訪問着を着せてほしいと要望があり、長襦袢・着物・帯を長い時間をかけてタンスから探し始めた。
時刻も過ぎ、たくさん着物を持っていたのかなかなか決まらない。
桜と鴬を描いてある、高価そうな着物を探して「これを着せてください」
通常でした、後から上から羽織る方法でするのですが、家族のご意向だったので、着物を着せることを了解しました。
着ている浴衣を脱がし、まず下着変代わりに仏衣を通常通り着せてから、長襦袢から着物を着せてあげた。
腹水が溜まって、背丈を調整するのが大変・・・
なんとか、長襦袢と着物を一緒に着せたので、調整が難しいかった。
最後に帯は締めることが出来ないので、お腹の上から巻くように押し込んで、格好だけは整った。
そのまま、柩に納めました。

2010年4月 7日

納棺での弔辞

先日、剃刀のケースを足で踏み潰され、破損していました。
昨日、「フェザー」に連絡してケースはあるか問い合わせたところ、仕事に内容を説明してケースがほしいと頼みました。
ケースだけ販売していないそうです。
のちほど、連絡が入り、ケース単品を差し上げるというこで、無料で送っていただきました。
対応がすごく良かった。

フェザー理美容商品 プロフェッショナルシリーズ
http://feather.co.jp/jBarber_professional.htm

67歳の男性です。
ホールの都合上、一日延びて納棺だけ早く行いたいといわれ、通夜の前日に納棺をしました。

遺体は、普通で綺麗な顔をしていました。
ギャラリーは、およそ30人ぐらいでしょうか。
久しぶりに依頼があった葬儀社なので、気合いを入れて丁寧に仕事をさせていただきました。
新しい剃刀ケースから剃刀を取り出し、髭が濃いので新しい替え刃に交換して髭を綺麗にさせていただきました。
何故か、孫らしき男の子が三人が故人の頭の上に正座をしていました。
普通は、少し離れて見ているのものなのですが、
「そんな近くでも大丈夫?」
子どもたちは、平気な顔。

棺に遺体を納めて、故人の背広を中に入れると、突然、遺族から
「孫たちの手紙も入れてほしい」
「はい、わかりました」
すると、10歳ぐらいの男の子が、その手紙を読み始めました。
続いて、8歳ぐらいの男の子、6歳ぐらいの男の子が次々を読み始めました。
近くにいたのは、このことだったのです。
内容は、おじぃちゃんとの思い出、教えていただいたことなど葬儀のときの「お別れに言葉」に近いものでした。
お手紙を読み終えると、親族から拍手・・・
なんとも、いえない光景でした。
納棺の儀式で弔辞を読まれたのは初めての出来事でした。

2010年2月25日

首吊り自殺だぁ~

久しぶりに、警察暑に行きました。
警察暑の裏の車庫に、ステンレスの台に男性が横たわっている。
現状がよくわからなかったので、取りあえず遺体の情況を確認。
「首吊り自殺だぁ~」
首に白く細いロープがそのままになっていてが、遺体はそんなにひどくない!
ホールに直接遺体を安置したいと申し出があり、棺に納めることを同意を受ける。
同行していた、葬儀社の方が棺を用意に会社に戻った。
私は、一人で遺体を綺麗にアルコールで身体を拭いてあげました。
口から、舌が飛び出て少し舌が傷ついている。
舌を押し込んで、口に納めることができました。
少し、顔に傷が付いていたので、リカバリファンデーションでカバー。
顔の処置は、そんなには難しくなかった。
仏衣を着せると、普通の遺体のようになった。
ほぼ、同時ぐらいに棺が届き、警察官と三人で棺に納めました。

以前から、自殺常習者らしく、山中の車の中には、睡眠薬や練炭、ナイフが置いてあったそうです。
車の後ろのフックにロープを掛け、低い状態で首を吊ったようで、思い浮かべて考えるとよく死ねたな~と思った。
覚悟の自殺はそんなものなのかも。。

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