「はぐれ念仏」「念仏ひじり三国志」など宗教を素材にした独自の大衆小説で知られた直木賞作家で、浄土宗大本山増上寺法主の寺内大吉(てらうち・だいきち<本名・成田有恒=なりた・ゆうこう>)さんが6日、心不全のため死去した。86歳。
東京都出身。大正大在学中に生家の大吉寺(世田谷区)住職になる。最初の小説は純文学的な短編だったが、その後大衆小説を執筆。55年「逢春門」でサンデー毎日大衆文芸賞、56年「黒い旅路」でオール読物新人杯(現新人賞)を受賞し注目される。57年、司馬遼太郎らと雑誌「近代説話」を創刊。61年「はぐれ念仏」で直木賞、83年「念仏ひじり三国志」で毎日出版文化賞を受賞した。他に「化城の昭和史」「慟哭(どうこく)の明治仏教」など。
ボクシング、プロレス、競輪などのスポーツ評論でも知られた。浄土宗宗務総長も務め、「開かれた浄土宗」を唱えるなど仏教者としても活躍した。


