人気漫画「クレヨンしんちゃん」の作者、臼井儀人(うすい・よしと)さん(51)が、群馬・長野県境の荒船山(1423メートル)の艫岩(ともいわ)がけ下で遺体で見つかったことを受け、版元の双葉社が21日、都内で緊急の記者会見。臼井さんのデジタルカメラには現場のがけの上から下に向かって写した"最後の1枚"が残っていることを明らかにし、「足をすべらせ転落した」との認識を示した。なお、臼井さんの葬儀は近く、近親者により非公開で営まれる。
「すごくわれわれのことを考えてくれた、いい先生が不慮の事故で...。無念としかいいようがありません」-。
会見した双葉社幹部らはこう話し、一様に肩を落とした。
転落現場を訪れた同社編集局次長、島野浩二氏によると、臼井さんは好奇心が旺盛で、高い山などの難所には行かないが、主に1人でハイキングなどに出かけ、写真を撮るのが好きだった。転落現場の荒船山には初めて訪れたという。
群馬県警から見せられた、臼井さんが所持していたデジタルカメラの画像には、登山中に撮影した風景写真が約30枚記録されており、最後の1枚は、転落したがけの上から、下をのぞき込むように写した写真だった。
デジタルカメラは、電源が入ったまま発見されており、臼井さんは「この写真を撮った直後に足をすべらせそのまま滑落してしまったと思う」との認識を示した。
また、遺体発見現場付近や所持品から、遺書のようなものは発見されておらず、群馬県警下仁田署幹部は21日、臼井さんについて「自殺、事故の可能性があるが、現時点では事故の可能性が極めて高い」と話した。
双葉社は「クレヨンしんちゃん」のテレビアニメ、映画の継続については「関係各社、ご家族、いろんな方と相談したい」と説明。さらに臼井さんの葬儀は近く、近親者により非公開で行われる予定で「家族と協議してお別れの会の開催を検討している」とした。
また、月刊「まんがタウン」に連載中の「クレヨンしんちゃん」は12月号(11月5日発売)まで継続し、その後は未定。11月号(10月5日発売)で、哀悼の意を表することを発表した。


