福岡県の結婚
結納品
<筑前地方>
9品目で8万円前後。
目録の署名は家名を書くことが多い。
小袖料は70万〜100万円が目安。
品目の酒、肴(するめや昆布など)は現物。
家慶鯛は生鯛の雌雄一対。
女性側は受書と記念品を用意する。
結納金のお返しはとくにしない。
<筑後地方>
11品目で10万〜14万円程度。
目録の署名は家名が多い。
小袖料は50万〜100万円が目安。
品目の酒、肴は現物。
家慶鯛は生鯛の雌雄一対。
帯は基本的に品物だが、現金で贈る場合は「帯料」として10万円程度を包む。
女性側は受書に熨斗、末広、友白髪と、記念品を用意する。
結納と結納返し
結納は女性宅で行なうのが一般的です。双方の両親と本人、仲人夫婦が出席しますが、筑後地方ではこのほかに、親族代表者も出席します。
県内には、男性側の結納に対して、女性側はお返しなしといった風習がありましたが、最近は指輪のお返しに背広や腕時計といった品物を返すこともふえてきました。
県内でもとくに結納の品が華やかで出席者の人数も多い筑後地方では、女性側で用意する祝い膳に、ペアグラスなどの引出物を添えます。これに対して男性側は当日の飲食代として、人数×五千〜一万円程度を「肴料」として包んでおき、帰りぎわに渡します。
同地方では、結納が納められた一週間後くらいに、女性側で「お茶見せ」「お茶開き」などという結納披露があります。近所の女性たちや披露宴に出席できない親戚を招待して、仕出し料理などでもてなします。お客さまが帰るときには、茶筒を差し上げます。
なお、筑後地方では品目のなかに女性本人へのみやげとして帯を贈る習慣がありますが、このほかに県下でみやげを持参するといった習慣はないようです。
披露宴
一般に、披露宴は招待制をとり、その費用は両家で招待した客の人数割りで負担します。
会場には、ホテルや専門の式場を利用することが多いようです。
福岡市では、宴の終わりに、代表者の謝辞のあと、「祝目出度」と「手一本」でしめるならわしがあります。
筑後地方では、宴に謡は欠かせないものとされています。
柳川市周辺では、自宅に戻ってから、披露宴に呼べなかった人たちを招き、再度宴会を開く家が多くみられます。このとき新郎はスーツを、新婦は振り袖や付け下げを着て、列席者をもてなします。
婚約
福岡市周辺では、結納に先立つ儀礼を「寿美酒」などといいます。これは男性側の仲人が、女性宅に行き、酒一升と生鯛一尾を納めるというもので、これには、「一生一代添いとげる」といった意味がこめられています。
最近は生鯛のかわりに、酒肴料として三万〜五万円程度の金包みを用意することもあります。また、相手が遠方に住んでいる場合などには、結納と一緒に行なうこともあります。
久留米市など筑後地方であh「久喜茶」などといって、男性側の親族や仲人、あるいは両親が、酒一升と鯛一尾、それにお茶を女性宅に持参します。このときのお茶には「何度も出ないように」つまり「これで結婚を決め、再度こうした儀式をもつ必要がないように」という意味から、番茶が用いられます。

久喜茶に用いるお茶の包み。「久喜」は「釘」に由来するものであり、心変わりしないように釘を打つという意味がこめられている。
引出物
福岡市や北九州市、久留米市周辺では、記念品に菓子といった二品で、四千〜六千円程度が多いようです。
柳川市や八女市周辺などでは、近隣でお祝いの金額、引出物について、とり決めをしているところもあります。たとえば、お祝いは三千円で、引出物はかまぼこ三本といったぐあいです。


